NiVE2(NicoVisualEffects2)について色々見てみる

記事作成日: 2010/11/23更新
記事更新時のNiVE2のバージョン: 2.0.0(正式版 2010/11/14リリース)

2010/11/14に、NicoVisualEffects2(NiVE2)の正式版(2.0.0)がリリースされました。
NiVE2はゼロから設計しなおされているため、NiVE1とは互換性はありません。
ここでは、NiVE1とNiVE2との違いなども意識しつつ、NiVE2について見ていきたいと思います。

※NiVE2のダウンロードはNiVE2用の公式Wikiから。

※重要!
  作者のmes氏が作成した操作説明書がNiVE2本体に同梱されていますので、まずはそちらを見るようにしましょう。

NiVE2のプラグイン開発に関する仕様書やサンプルプラグインもWikiで公開されています。
  プログラマーさん寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
  あなたの力でNiVE2を、より素晴らしいソフトにしていきませんか? ヽ(゚ ヮ ゚)ノ

※作者のmes氏が、ニコニコ動画に上げているNiVE2の開発報告動画で、色々と説明をして下さっています。
  mes氏のニコニコ動画マイリストにある「NiVE作るII 1〜12」を見直しておくとよいでしょう。

   →mes氏のニコニコ動画マイリスト「ニコニコ版AE(仮)を作ってみる

    動画内でのmes氏の説明を大雑把にメモったもの→ こちら

※NiVE2を使ってみてバグを見つけた場合は、必ず詳しい情報を添えて
  NiVE2用Wikiのバグ報告ページに報告しましょう。
  なお、報告する前に、同じ報告が上がっていないかどうか確認しましょう。

※Ver 2.0.0(正式版)の時点の情報で書いています。

※説明のために便宜的に勝手な名称で呼んだりしている部分があります。
  「レイヤーバー」とか「シャイ属性」とか「固定値モード」とか「キーフレーム入力モード」とか。

※間違いとかあったらごめんなさい。


目次

  NiVE2の特徴
    作成方針など
    設計面・機能面での主な追加・変更など

  NiVE2について見ていく
    画面構成
    コンポジションの作成
    アイテムの読み込み
    アイテムウィンドウ
    プレビューウィンドウ
    タイムラインウィンドウ
    レイヤーについて
    レイヤースイッチ
    2Dレイヤーと3Dレイヤー
    レイヤーの分割と複製
    カメラ・テキスト・シェイプ・Nullオブジェクト・ライトの追加方法
    シェイプレイヤーについて
    ライトレイヤーについて
    プロパティプリセットについて
    キーフレームの打ち方
    エフェクトコントロールウィンドウについて
    エフェクトに導入された「ROI」という概念について
    エフェクトプリセットについて
    出力・レンダーキュー
    環境設定とキャッシュについて
    標準レンダラの設定について(スーパーサンプリング)
    モーションブラー機能について
    オートメーションについて(利用例:MMD2NiVE2)
    エクスプレッションについて
    あとがき


NiVE2の特徴

  ●作成方針など

    ◎NiVE1との互換性は無し。内部の基本設計も大きく変わっている。
      NiVE1の拡張プラグインは、NiVE2では使えない。無論NiVE2の拡張プラグインをNiVE1で使うこともできない。

    ◎NiVE1は「AEに似たもの」。NiVE2は「AEと少し同じことができるもの」。
      AEを使う前の踏み台、つまりモーショングラフィックス入門ソフトという位置づけは変わらない。

  ●設計面・機能面での主な追加・変更など

    ◎タイムベースへの変更
      NiVE1は、「フレームを基準とした作り(フレームベース)」だったが、
      NiVE2は「時間を基準とした作り(タイムベース)」に変更する。

    ◎ただし操作時はフレーム単位で操作できるようにし、内部でタイムコードで扱う方式にする

    ◎タイムベースにすることにより、プロパティの時間変化を反映したモーションブラーの実装が可能になった。

    ◎キャッシュ機能の強化
      効率的なキャッシュ機能の実装により、プレビューなどの高速化を図る。

    ◎レンダラのプラグイン化
      NiVE1では、ユーザが開発できるのは入出力プラグインとエフェクトプラグインだけだったが、
      NiVE2ではレンダラもプラグイン化されており、ユーザが独自のレンダラを実装することができる。

    ◎プレビューウィンドウ上でのドラッグによるレイヤー操作やカメラ操作の実装

    ◎エフェクトコントロールウィンドウを実装

    ◎レンダーキューを実装

    ◎エフェクトの適用範囲に「ROI(Region Of Interest)」という概念を導入

    ◎低画質モードの実装

    ◎エクスプレッションに加え、「オートメーション」という新たなプログラミング記述処理を実装

    ◎エフェクトプリセットプロパティプリセットを実装

    ◎シェイプレイヤーを実装

    ◎ライトレイヤーを実装

    ◎3Dレンダリングにおけるスーパーサンプリングへの対応(標準レンダラ)

    ◎ワイヤーフレーム描画に対応(標準レンダラ)

    ◎NiVE1では他レイヤーの「エフェクト適用後のイメージ」を取得することが可能だったが
      NiVE2ではそれが不可能になったので、エフェクト適用後のイメージを取得したい場合は
      対象のレイヤーをプリコンポーズして別コンポジションにする必要がある。

    ◎NiVE1ではタイムラインに追加した各要素のことを「トラック」と呼んでいたが、
      NiVE2では「レイヤー」という呼び方に変更された。

    ◎NiVE1ではトラック(レイヤー)自体を操作するためのプロパティ群を「マテリアル」と呼んでいたが、
      NiVE2では「トランスフォーム」という言葉に変更された。また、ここでレイヤーの不透明度も扱えるようになった。
      トランスフォームというエフェクトもあるので、混同しないように注意。
      レイヤーのトランスフォームは、レイヤー自体の位置などを操作するもの。
      エフェクトのトランスフォームは、レイヤー上でイメージの位置などを操作するもの。


NiVE2について見ていく

  NiVE2について少しずつ見ていきます。

画面構成

  起動すると以下のようなスタートアップ画面が現れます。

      

  ここから速やかに新規プロジェクトの作成や、最近開いたプロジェクトへのアクセスなどができるようになっています。
  メニューからアクセスするよりも手軽で便利になっているのがわかります。

  とりあえずウィンドウ構成を見るため新規プロジェクトを作成し、全てのウィンドウを表示してみました。

      

  NiVE1にもあった「アイテム」「プレビュー」「タイムライン」「ヒストリー」に加え、新たなウィンドウとして
     エフェクトコントロール
     レンダーキュー
  の2つが追加されています。この2つはデフォルトでは隠れていますが、メニューの「ウィンドウ」から選択すれば表示されます。
  ただしレンダーキューは独立したウィンドウではなく、タイムラインウィンドウ内のタブの1つとして表示されます。
  また各ウィンドウのインタフェースも色々変わっています。(詳細は後述)

  ちなみに、環境設定で「ウインドウを親ウインドウの外に出す」にチェックを入れると、
  プレビューウィンドウなど、個別のウィンドウをNiVE2本体のウィンドウの外に出せます。
  ウィンドウ配置の自由度が高まるので、マルチディスプレイ環境では、片方のディスプレイにプレビューウィンドウを置き、
  もう片方にタイムラインウィンドウを置くといった使い方をすれば、作業がより快適になると思われます。

コンポジションの作成
  新規プロジェクトの作成について、あらためて見ていきます。
  最初にコンポジションの作成ウィンドウが表示されますが、まずここが変わっています。

          

  変更点1.コンポジションのプリセットが登録できるようになった。
          →コンポジションの設定をプリセットとして保存し、後でそれを呼び出せるようになりました。
            設定を決めてからプリセット登録ボタンを押すと、プリセットの登録画面が出てきます。
            名前を入力してOKを押すと、登録したプリセットがプリセット選択ボックスから選択できるようになります。
            よく使う設定を登録しておくと作業効率が上がるでしょう。

  変更点2.レンダラは今のところ「標準レンダラ」のみ。(GDIレンダラは2.0.0正式版で使えなくなったようです)

          →「標準レンダラ」は、NiVE2で強化された様々な機能を実装したレンダラです。
              ・レイヤーのブレンドモードの指定(NiVE1の拡張2Dレンダラで実装されていた機能)
              ・3Dレンダラ機能(OpenGLではなく独自の3D処理)
              ・モーションブラー機能
              ・ライトレイヤーへの対応
            といった機能が盛り込まれています。

          →2.0.0β4までは、「GDIレンダラ」も存在していましたが、2.0.0正式版では削除されました。
            β版との互換性確保のため内部機能としては残っているようですが、
            新たなコンポジション作成時には選べなくなっています。
            GDIレンダラはNiVE1のものと同様、レイヤーを2Dで単純に重ね合わせて描画(レンダリング)を行ないます。
            ただしモーションブラー機能や3Dレンダラ機能などは使えません。

          →NiVE1にあったOpenGLを使った3Dレンダラは、今後の実装予定項目として挙げられているようです。

          →上に書いたようにNiVE2ではユーザが拡張プラグインとしてレンダラを独自に開発することもできます。
            まだテスト版ですが、レイトレーシングを利用したレンダラを作っている方もいらっしゃいます。
            (参考動画1参考動画2(テスト版プラグインもこちらの動画から))

  変更点3.「長さ」の指定フォーマットの変更
          →NiVE2はタイムベースになったため、コンポジションの長さの指定フォーマットは、
            以下のようになります。
                時間:分:秒:フレーム数
            最後の部分は、ミリ秒とかではなく、フレーム数であることに注意。区切りはコロンです。
            例えば、「0:0:1:20」は、「1秒と20フレーム」になります。
            10fpsの場合1秒あたり10フレームなので、「0:0:3:0」と同等になります。
            長さはフレームレートを元に換算されるので、フレーム数を指定して長さを指定することもできます。
            例えば1800フレームなら「0:0:0:1800」という形で指定すれば、30fpsであれば1分なので自動的に「0:1:0:0」に変換されます。

  変更点4.モーションブラー用のパラメータの追加
          →モーションブラー用に「シャッター角度」「シャッターフェーズ」「サンプリング数」という
            パラメータが追加されています。意味についてはmesさんのマニュアルを読みましょう。
            また、このページの下のほうでも詳細な解説を書きました。
            あとはAfterEffects CS4のオンラインマニュアルのモーションブラーのページも参考になります。

  変更点5.ネスト(入れ子)時のフレームレートの扱い
          →このコンポジションを別のコンポジションに追加した場合のフレームレートの扱いを指定します。

              ●「ネスト時にフレームレートを維持する」にチェックが入っていない場合
                 →コンポジションは、「レイヤーを組み合わせた構造部品」として扱われます。

              ●「ネスト時にフレームレートを維持する」にチェックが入っている場合
                 →コンポジションは、「指定されたフレームレートでレンダリングされた映像」として扱われます。

            例:「1フレーム毎に0,1,2・・・とカウントしていく30fpsの動画」を10fpsのComp1に読み込み、
               そのComp1を30fpsのComp2に追加する場合
               ●Comp1は10fpsなので、レンダリングすると数字のカウントは0,3,6,9・・・と飛び飛びに進む。
               ●Comp1で「ネスト時にフレームレートを維持する」にチェックが入っていない場合、
                 Comp2では数字のカウントは0,1,2,3・・・と進む。
                 これは、Comp1を「レイヤーを組み合わせた構造部品」とみなすので、30fpsのComp2からは
                 Comp1の中に含まれる30fpsのカウント動画にも30fpsでアクセスして扱えるため。
               ●Comp1で「ネスト時にフレームレートを維持する」にチェックが入っている場合、
                 Comp2では数字のカウントは0,0,0,3,3,3,6,6,6・・と進む。
                 これは「10fpsでレンダリングされたComp1の映像」を30fpsのComp2で読み込んだという扱いになるため。

アイテムの読み込み
  コンポジションを作ったら、続いてNiVEに素材アイテムを読み込みます。とりあえずAVIファイルを読み込んでみましょう。

          

  標準の読み込みは、「StandardMediaInput」に統合されました。
  対応形式は、Wikiにあるとおり、
     ビデオ:NVV、AVI、WMV、MPEG
     音声:WAV、MP3、WMA
     画像:BMP、GIF、JPEG、PNG、TIFF (解説動画によるとEMFも?)
  となっており、全部まとめてこれで読み込めるようになっています。
  DirectShowでの読み込みになるので、AVI 1.0形式だけでなくAVI2.0形式のファイルも読めます。
  2.0.0β4からはアルファチャンネルつきのAVIも読みこめるようになっています。

  なお、NiVE1では音声つきの動画でも、映像と音声を別々のアイテムとして扱う必要がありましたが、
  NiVE2では映像と音声をまとめて1つのアイテムとして扱えるようになりました。
  ただし素材によっては映像と音声を分けて別々に読み込んでやる必要があるかもしれません。
  また、入力プラグインによっては映像と音声のアイテムを別々に作ることもあります。

アイテムウィンドウ
  読み込んだ素材を表示するウィンドウです。NiVE1とあまり変わっていませんが、動画ファイルなどを読み込んだ場合、
  そのファイルが置いてあるディレクトリ名も表示されるようになりました。
  NiVE1ではカメラやNullオブジェクト、テキストなどはアイテムをここで作成してからタイムラインに追加していましたが、
  NiVE2ではこれらはタイムラインウィンドウ上の右クリックメニューから直接追加するようになっています。

  また、アイテムの並び替えはソートのみとなっており、自分で自由に並び替えることはできなくなっています。
  フォルダ機能がありますのでそれを活用して整理するとよいでしょう。
  コンポジションタブとエフェクトタブについてはNiVE1からあまり変わってないと思います。

          

プレビューウィンドウ
  タイムラインウィンドウは後で見るとして、まずはプレビューウィンドウを見てみましょう。

          

  変更点1.プレビュー映像の拡大・縮小ができるようになった。
         NiVE1では「ウィンドウサイズにあわせる」or「プロジェクトサイズにする」の2通りでしたが、
         NiVE2では右クリックメニューやマウスホイール操作で自由に拡大縮小ができます。
         小さな画面で大きな映像を見る場合も縮小すれば全体像が確認できますし、
         拡大すれば細部も簡単に確認することができます。

  変更点2.ドラッグでコンポジション映像の表示位置を動かせるようになった。
         NiVE1ではコンポジション映像の表示はプレビューウィンドウ中央に固定されていましたが、
         NiVE2では自由に表示位置を動かすことができます。拡大縮小とあわせて使えば
         映像の気になる部分を素早く確認することができます。

  変更点3.右クリックで表示されるコンテキストメニューから、画質の変更ができるようになった。
            フル画質、1/2画質、1/3画質、1/4画質、1/8画質
         の5段階の画質(解像度)を選ぶことができます。
         基本的に、解像度を小さくすればエフェクトなどの処理負荷も軽くなるので、
         大雑把な配置や設定をしたいだけなら低画質モードで行い、
         細かい確認をしたい場合のみフル画質にすれば作業の効率化を図ることができます。
         なお、出力時は自動的にフル画質になるので、うっかり低画質モードのまま
         出力してしまったというようなミスは起こらないようになっています。
         (RAMプレビューは低画質モードのままで行なわれます。)

  変更点4.RAMプレビューボタンがついた。
         NiVE1でのRAMプレビューは
            「レンダリングしたフレームを記憶しておき、変化がない限り再利用する」
         という機能でしたが、NiVE2でのRAMプレビューはNiVE1における「リアルタイムプレビュー」に近い機能になっています。
         プレビューウィンドウ下側の一番右にある のボタンがRAMプレビューボタンです。
         見たい場所の開始位置にフレームをあわせてRAMプレビューボタンを押すとレンダリングが始まります。
         レンダリング中は、プレビューウィンドウ右下に、キャッシュ中のフレーム数が表示されます。
         レンダリングが終了するとレンダリングした部分が音声つきで繰り返し再生されます。
         レンダリングされる長さは、環境設定にある「RAMプレビューキャッシュ」のサイズで決まります。
         設定したサイズが大きいほどRAMプレビューできる時間が長くなりますが、その分レンダリングに時間がかかります。
         自分の環境や使い方にあわせて、バランスのよい値に設定しておくとよいでしょう。
         なお、途中でRAMプレビューのレンダリングを止めたい場合は再生ボタンを押します
         その場合、レンダリングが終わったところまでを繰り返し再生します。

  変更点5.プレビュー音声の扱いが変わった。
         NiVE1では音声ボタンをONにすればプレビュー再生時に細切れのプチプチした音が出ていましたが、
         NiVE2では音声処理が変更され、通常プレビュー時には音は出なくなりました。音声ボタンも無くなっています。
         ただしCtrlキーを押しながらフレームを移動させた場合には従来のように細切れのプチプチ音が出ます。
         なお、RAMプレビューや出力においては音をまとめて処理するので綺麗に音が出ます。

  変更点6.便利な機能ボタンが色々ついた。
         再生関連ボタンの上に色々と便利なボタンが追加されました。
         まず左側のボタンから見て行きます。

                

                  ●グリッド表示
                     10x10ピクセルおきに縦横の線(グリッド)を表示します。配置の目安として利用できます。
                     プレビューウィンドウへの表示のみであり、RAMプレビューや出力映像には表示されません。
                  ●市松模様表示
                     コンポジション映像の透明部分の背景として市松模様を表示します。
                     市松模様を表示すると透明になっているのかどうかが判断しやすくなります。
                     PhotoshopやGIMPなどでも透明部分はそうなっていますね。
                     プレビューやRAMプレビューで表示するのみであり、出力映像には表示されません。
                  ●スナップショットの取得と表示
                     取得ボタンを押すとスナップショット(現在のプレビュー映像)を1枚だけ保持しておくことができ、
                     表示ボタンを押している間だけそのスナップショットを表示することができます。
                     エフェクト適用前後の映像の比較など、色々便利に使うことができます。
                  ●チャンネルごとの色成分表示
                     ボタンを押すと表示方法として「フルカラー」と「赤」「緑」「青」「アルファ」の表示を選ぶことができます。
                     「フルカラー」以外は、それぞれの色成分の強さをグレースケールで表したものになります。
                     プレビューやRAMプレビューで表示するのみであり、出力映像には反映されません。
                  ●背景色の設定
                     プレビューウィンドウの背景色の設定を行ないます。(レンダラの背景色ではないので注意)
                     プレビューウィンドウの背景色はプレビューウィンドウの右クリックメニューからも変更できます。

         次に右側のボタンを見て行きます。
         右側のボタンは、プレビューウィンドウ上でのマウス操作で様々な操作を行なうためのボタンです。
         NiVE2ではプレビューウィンドウ上でレイヤーやカメラを操作することが可能になりました。

                

                  ●プレビュー映像の表示位置の移動
                     プレビューウィンドウ内でのプレビュー映像の表示位置を動かします。
                  ●レイヤーの位置の操作
                     プレビューウィンドウ上で表示されているレイヤーをドラッグすることにより
                     レイヤーの位置の調整を行なうことができます。
                     3Dレイヤーについてはカメラ視点から見た縦横への移動になります。
                     Shiftキーを押しながらドラッグすると、横方向あるいは縦方向にのみ移動させることができます。
                  ●レイヤーの回転の操作
                     プレビューウィンドウ上で表示されているレイヤーをドラッグすることにより
                     レイヤーの回転の調整を行なうことができます。
                     ボタンを押すと
                        回転ツール・X回転ツール・Y回転ツール・Z回転ツール
                     の4つを選択することができるので、用途にあわせて選んで使用します。
                     回転ツールでは、Shiftキーを押しながら回転させることでX回転のみ、Y回転のみの回転ができます。
                  ●レイヤーの拡大縮小操作
                     プレビューウィンドウ上で表示されているレイヤーをドラッグすることにより
                     レイヤーのスケールを調整し、拡大・縮小を行なうことができます。
                     ボタンを押すと
                        拡大縮小ツール・幅拡大縮小ツール・高さ拡大縮小ツール
                     の3つを選択することができるので、用途にあわせて選んで使用します。
                     拡大縮小ツールでは、Shiftキーを押しながらドラッグすると、縦横の比率を維持したまま拡大縮小できます。
                  ●カメラの操作
                     プレビューウィンドウ上でドラッグすることにより、コンポジションカメラを操作します。
                     ボタンを押すと、
                        カメラ軌道ツール・カメラXYツール・カメラZツール
                     の3つを選択することができるので、用途にあわせて選んで使用します。
                     当然ですが、表示しているコンポジションにカメラを追加していないと意味がありませんので注意しましょう。
                     また、カメラの撮影対象になるのは3Dレイヤーのみであり、2Dレイヤーはカメラの撮影対象にはなりません。
                     カメラ軌道ツールとカメラXYツールでは、Shiftキーを押しながらドラッグすると縦または横のみの操作ができます。

  変更点7.レイヤーのアンカーポイントとバウンディングボックス(レイヤーの枠)の表示。
         タイムラインウィンドウでレイヤーを選択した際に、そのレイヤーのアンカーポイントと
         バウンディングボックス(レイヤーの枠)が表示されるようになりました。
         アンカーポイントの表示によって、トランスフォームによるレイヤーの回転などがとてもわかりやすくなりますし、
         バウンディングボックスは対象レイヤーの配置を素早く確認することができて便利です。
         以下に示したのは、5つのカラーイメージを重ねあわせたコンポジションで、
         下に隠れている赤いカラーイメージのレイヤーを選択した場合の表示例です。
             

タイムラインウィンドウ
  タイムラインウィンドウも色々と変わっています。
  以下にタイムラインウィンドウ各部の名称等を示します。
  個別のレイヤーに関する部分はちょっと複雑なので、この後で別途説明します。

        

  @コンポジションタブ
    作業するコンポジションを切り替えるためのタブです。
    ダブルクリックすると、そのコンポジションタブをタイムラインウィンドウから消すことができます。
    コンポジションが増えすぎた場合はこれを利用して当面必要のないタブの表示を消しておくと便利です。
    再度表示したい場合はアイテムウィンドウのコンポジションタブを開き、目的のコンポジションをダブルクリックすると、
    タイムラインウィンドウにそのコンポジションタブが表示されます。

  Aレンダーキュータブ
    NiVE2で追加された「レンダーキュー」は、タイムラインウィンドウ内のタブの1つとして表示されます。
    出力などを行なう際に自動的に表示されますし、メニューの「ウィンドウ→レンダーキュー」でも表示できます。
    タブをダブルクリックすると非表示にできます。

  Bフレーム位置情報とfps情報
    現在のフレーム位置と、コンポジションのfps情報を表示します。
    ここをクリックすると「時間の指定」というダイアログが表示され、指定した時間(フレーム)に移動することができます。
    記法はコンポジションの長さと同様、「時:分:秒:フレーム番号」です。

  Cシャイ機能の有効・無効スイッチ
    シャイ機能の有効・無効を切り替えるためのスイッチです。
    「シャイ機能」とは、レイヤーをタイムラインウィンドウ上で非表示にする機能で、NiVE1でも実装されていました。
    「レイヤー映像(音声)の有効・無効」とは異なり、該当レイヤーの映像や音声自体は有効のまま、
    タイムライン上のレイヤー表示だけを消すことができます。
    レイヤー数が多くなりすぎたような場合に、当面の作業に不要なレイヤーを一時的に隠すために使用します。
    レイヤーを隠すかどうかについては、各レイヤーのシャイ属性スイッチで指定します。

  Dフレームブレンド機能の有効・無効スイッチ
    フレームブレンド機能の有効・無効を切り替えるためのスイッチです。
    フレームブレンド機能は、NiVE1では「デュレーションの変更」のダイアログで設定していたもので、
    レイヤーのデュレーションを変更した際に、
       ・単純にフレームを間引いたり伸ばしたりする
       ・シームレス(ループ)にする
       ・近接するフレームをブレンドして新しいフレーム映像を作り出す
    といった処理を行なう機能です。
    フレームブレンド処理の種類は各レイヤーのフレームブレンド属性スイッチで指定します。

  Eモーションブラー機能の有効・無効スイッチ
    モーションブラー機能の有効・無効を切り替えるためのスイッチです。
    モーションブラー機能は、NiVE2から追加された機能です。
    フレーム映像をレンダリングする際に、コンポジション設定で指定したモーションブラーのパラメータに従って
    映像のサンプリング処理を行い、それらをフレームブレンド処理することでモーションブラーをかけます。
    なお、この機能はレンダラで実装することになるので、レンダラの種類によっては使えないこともあります。
    モーションブラー処理を行なうかどうかは、各レイヤーのモーションブラー属性スイッチで指定します。

  Fキャッシュ済みフレームの表示
    時間表示部の下側に緑の線が表示されている部分があるのがわかるでしょうか。
    この線がある場所は、レンダリングされたフレーム映像がキャッシュされていることを示しています。
    キャッシュされている部分は再レンダリングの必要がないので速やかに表示できます。
    ただしキャッシュは容量に限りがあるので、作業進行次第で消えていくこともあります。
    (キャッシュサイズの設定はメニューの環境設定で行なうことができます。)

  Gフレームカーソル
    現在のフレーム位置を表すカーソルとラインです。
    フレームカーソルを動かすことで現在の時間的位置(フレーム位置)を変えることができます。

  H時間・フレームの目盛り表示
    時間とフレームの目盛り表示です。タイムラインウィンドウ左下にあるスライダーを使うと縮尺を変えることができます。
    目盛りは、その縮尺での最小単位とその数字、1つ上の単位の数字だけが表示されています。
    それより上、あるいは下の単位の数字はタイムラインの縮尺を変えないと出てきませんので注意しましょう。
    単位は「m」が分、「s」が秒、「f」がフレームです。単位が出ていない場合は時間を表します。
       例:
         1・・・1時間
         0:20m・・・0時間20分
         02:30s・・・2分30秒 (時間の数字は見えないので、1時間2分30秒なのか、
                      ただの2分30秒なのかはこれだけではわからない)
         24:20f・・・24秒と20フレーム (時間と分の数字は見えないので、何時間何分なのかはわからない)
    タイムライン左上やプレビューウィンドウの下側に現在のフレーム位置の表示があるので、
    それとあわせて見るとよいと思います。

  Iレイヤーバーおよびキーフレーム表示領域
    レイヤーの時間的な位置や有効範囲などを操作・表示するためのレイヤーバーが表示されます。
    レイヤーバーはレイヤーの種類ごとに色分けされています。
    また、レイヤーのプロパティを展開した場合は、ここにキーフレームが表示されます。

  Jタイムラインの縮尺変更スライダー(スケールバー)
    タイムラインの縮尺を変更し、目盛りスケールを拡大縮小します。デフォルトでは一番左になっており、
    コンポジションの長さ全体を確認できるようになっています。
    コンポジションの時間的な構成を全体的に確認したい場合はスライダーを左のほうへ。
    時間的な構成をフレーム単位で細かくみたいならスライダーを右のほうへ。
    NiVE1とは拡大と縮小が左右逆になっているので注意しましょう。

レイヤーについて
  タイムラインに追加された各要素は、NiVE1では「トラック」と呼んでいましたが、NiVE2では「レイヤー」と呼ぶことになりました。
  また、上でも述べたとおり、音声つきの動画は映像と音声をまとめて1レイヤーで扱えるようになっています。
  以下にタイムラインウィンドウのレイヤー表示部の画像を示します。
       

  @ビデオ(映像)の有効・無効スイッチ
     レイヤーの映像を有効化、または無効化します。

  Aオーディオ(音声)の有効・無効スイッチ
     レイヤーの音声を有効化、または無効化します。

  Bプロパティ展開スイッチとレイヤー種別
     右向きの▲印は、レイヤーのプロパティ群を展開したり折りたたんだりするスイッチです。これはNiVE1と同じですね。
     四角で囲まれた部分の色は、レイヤーバーと同じく、レイヤーの種類(VideoとかImageとか)を表しています。
     レイヤーの色分けは、環境設定メニューで自由に設定することができます。

  Cレイヤー番号
     レイヤーにつけられた番号です。上から順に0から始まる連番がつけられます。
     シャイ機能によって一部のレイヤーが非表示になっている場合、この連番が欠けているように見えるので
     どれだけのレイヤーが非表示になっているかを知る手がかりになります。

  Dレイヤー名・ソース名の表示切替
     レイヤーの名前表示欄です。クリックすることで、名前表示を
     「レイヤー名」と「ソース名」のどちらにするかを切り替えることができます。
        ●レイヤー名
           レイヤーやエフェクトを右クリックすると現れる「レイヤーのリネーム」または
           「エフェクトのリネーム」で各レイヤーやエフェクトに付けた別名です。
           同じアイテムやエフェクトをタイムラインに複数追加した場合に、
           それぞれを識別しやすくするために使ったりします。
        ●ソース名
           レイヤーを作るのに使ったアイテムの名前や、元々のエフェクト名のことです。

  Eレイヤースイッチ
     各レイヤーについての処理を設定するための各種スイッチです。項目が多いので下でまとめて紹介します。

  F親レイヤーの設定
     レイヤーの親子関係の設定を行ないます。NiVE1ではマテリアルの項目に入っていたものですね。
     クリックするとレイヤーの一覧が出てきますので、親にするレイヤーを指定します。
     ただし、親子関係の設定はNiVE1とは少し挙動が変わっているので注意が必要です。
     また、Ctrlキーを押しながら設定するかどうかで結果が変わります。

        ●Ctrlキーを押さずに親子を設定した場合

           →子は、親子設定を行なったフレームでの親との相対位置が保持されるように配置されます。
             このため、親と子が動いているような場合は、どの時点で親子設定を行なうかによって全体の結果が変わります。
             例を挙げると、以下のようになります。
                Case1.3フレーム目で親子設定を行なう
                      →3フレーム目での相対位置を保持するように子の座標が調整される
                Case2.10フレーム目で親子設定を行なう
                      →10フレームでの相対位置を保持するように子の座標が調整される。
             全体の動きを見ると、Case1とCase2の結果は変わってきます。
             子レイヤーの座標プロパティの表示はそのままですが、設定時点での親との相対座標値が内部的に記憶されており、
             その相対値を元にして座標プロパティが補正されると考えればよいと思います。

        ●Ctrlキーを押しながら親子を設定した場合

           →子は、設定時点の親との相対位置を考慮せず、座標値に従って親の座標系に単純配置されます。
             そのため、どの時点で親子設定を行なっても全体の結果は変化しません。
             こちらはNiVE1と同様の挙動になります。

レイヤースイッチ
  レイヤーの属性や適用機能などをコントロールするための各種スイッチです。1つ1つ見ていきます。

  ・・・シャイ属性のON/OFF。
       NiVE1にあった機能と同じです。
       シャイ機能の有効・無効スイッチとあわせて使います。
          ・・・シャイ属性オフ。シャイ機能を有効にしてもこのレイヤーは隠れません。
          ・・・シャイ属性オン。シャイ機能を有効にすると、このレイヤーは隠されます。

  ・・・レンダリング画質の設定。
          ・・・高品質なレンダリングを行ないます。
          ・・・低品質なレンダリングを行ないます。

  ・・・エフェクトのON/OFF。
       レイヤーにかけられているエフェクトを一括で有効化・無効化します。
       個別のエフェクトの有効・無効よりも上位のスイッチであり、これがOFFになっていると
       そのレイヤーにかけられているエフェクトは一時的に全て無効になります。
          ・・・エフェクトON。レイヤーにかけられているエフェクトを有効にします。
          ・・・エフェクトOFF。レイヤーにかけられているエフェクトを全て無効にします。

  ・・・フレームブレンドモードの設定。
       レイヤーのデュレーション(長さや再生速度)を変更した際のフレーム処理を設定します。
       フレームブレンド機能の有効・無効スイッチとあわせて使います。
       NiVE1では「デュレーションの変更」画面で設定していたものです。
       なお、NiVE2ではデュレーションの変更はレイヤーの右クリックメニューから行なうことができます。
          ・・・なし。フレームを間引いたりそのまま伸ばすようにします。
          ・・・シームレス(ループ)。再生速度は変えず、繰り返し再生を行ないます。
          ・・・ブレンド。近接するフレームをブレンドして新たなフレーム映像を作り出します。
              音声レイヤーの場合は速度変更を意味します。

  ・・・モーションブラー属性のON/OFF。
       モーションブラー処理を行なうかどうかを設定します。モーションブラー機能の有効・無効スイッチとあわせて使います。
          ・・・モーションブラーOFF。このレイヤーではモーションブラー処理は行ないません。
          ・・・モーションブラーON。このレイヤーについてモーションブラー処理を行ないます。

  ・・・3Dレイヤー属性のON/OFF。
       レイヤーを3Dレイヤーにするスイッチです。
       3Dレイヤーは文字通り3D的な扱いとなるレイヤーです。
       また、カメラやライトの対象になるのは3Dレイヤーのみとなります。
          ・・・3DレイヤーOFF。レイヤーは2Dで扱われます。
          ・・・3DレイヤーON。レイヤーは3Dで扱われます。

2Dレイヤーと3Dレイヤー
  NiVE1ではレイヤーを2D(2次元)で扱うなら「GDIレンダラ」「拡張2Dレンダラ」のどちらかを選択する必要があり、
  レイヤーを3D(3次元)で扱いたい場合には「OpenGLレンダラ」を選択する必要がありました。
  これらはそれぞれコンポジションを分けて作成する必要がありました。
  これに対し、NiVE2の標準レンダラでは、2Dと3Dの両方を扱えるようになっています
  レイヤースイッチで「3Dレイヤー属性」をONにすれば、そのレイヤーは3Dレイヤーとなり、
  レイヤーのトランスフォームでアンカーポイント・位置・スケール・回転が3次元で設定できるようになります。
  また、カメラの撮影対象となるのは3Dレイヤーのみとなります。2Dレイヤーは撮影対象にはなりません。
  ライトレイヤーの光を受けたり影を落とせたりするのも3Dレイヤーに限られます。

  なお、レンダリングは最初に2Dレイヤーだけを対象にしてレンダリングを行なったうえで、
  その上から3Dレイヤーを対象にしたレンダリング映像を上書きするという手順になっているようです。

レイヤーの分割と複製
  NiVE2では、レイヤーに対して「レイヤーの分割」という操作が可能になりました。
  分割したいレイヤーを選択し、フレームカーソルを分割したい位置に移動して、
  メニューの「編集→レイヤーを分割」(又はCtrl+Shift+D)を実行すると、
  フレームカーソルの前後でレイヤーが2つに分割されます。
         

  また、「複製」という操作も可能になっています。
  レイヤーを選択してメニューの「編集→複製」(又はCtrl+D)を実行すると、
  クリップボードを経由せずにレイヤーを直接複製することができます。
  「コピー+ペースト」という2段階の操作をせずに済むということですね。
  エフェクトについても同様の複製操作が可能です。

カメラ・テキスト・シェイプ・Nullオブジェクト・ライトの追加方法
  カメラやテキスト、Nullオブジェクト等は、NiVE1ではアイテムウィンドウで生成したうえでタイムラインに読み込んでいましたが、
  NiVE2ではタイムラインウィンドウのレイヤー表示領域の右クリックメニューからレイヤーとして直接追加するようになっています。
  また、NiVE2で追加されたシェイプレイヤーライトレイヤーもここから追加します。

         

シェイプレイヤーについて
  NiVE2で新たに追加されたレイヤーです。
  複数の点をつないで様々な線や図形(シェイプ)を作成する機能を持ちます。
  プリセットとして「多角形」「星」「円」が用意されているのでそれを組み合わせてもよいですし、
  自分で個別に点(ポイント)を追加して独自のシェイプを作成することもできます。
  ポイントの補間には「リニア」「ベジェ」が利用できます。
  図形はグループ化して扱うことができ、それぞれについて線や塗り、トランスフォームなどの設定も可能です。
         

ライトレイヤーについて
  NiVE2で新たに追加されたレイヤーです。
  レンダラの3D空間に光源(ライト)を設置して、3Dレイヤーを照らしたり
  3Dレイヤーの影を別の3Dレイヤーに落としたりすることができます。
  光源の種類として、「平行」「スポット」「ポイント」「アンビエント」の4つが用意されています。
  ライトを受けたり影を落とすための設定は、ライトの設定だけでなく各レイヤーのレンダラプロパティでも設定する必要があります。

         
          この例ではカラーイメージ2枚を壁と床にして、キーイングしたキャラクター映像を配置し、
          スポットライトとアンビエントライトで照らして影を落としています。

プロパティプリセットについて
  テキストレイヤーやシェイプレイヤーでは、テキストアニメータ(セレクタ)やシェイプコンテンツ(グループ)の設定を
  右クリックメニューから「プロパティプリセット」として保存したり読み込んだりすることが可能になっています。
  NiVE1にあった、テキストアニメーションプリセットと同様のものと考えればよいと思います。
  面白いテキストアニメーションやシェイプアニメーションなどの配布も進むとよいですね。
  プロパティプリセット(NiVE Property Preset)は「*.nvpp」という拡張子で保存されます。

キーフレームの打ち方
  さて、次はキーフレームを打ってみましょう。キーフレームの打ち方はNiVE1とは少し変わっています。
  プロパティ値の設定モードとして、「固定値モード」「キーフレーム入力モード」が存在します。

         

  固定値モードは、
     「プロパティの時間的な変化を必要とせず、全体を通して固定値で良い場合。」
  に使います。
  NiVE1ではデフォルト値から別の固定値に変更する場合は必ずキーフレームが打たれていましたが、
  NiVE2では単にプロパティの値を変えればキーフレーム無しでその固定値を記憶し適用します。

  プロパティを時間的に変化させたい場合は、従来どおりキーフレームを打つことになります。
  ここでポイントになるのが、各プロパティの左側にあるストップウォッチボタンです。
  このストップウォッチボタンの役割は
     ●対象プロパティに最初のキーフレームを打つ(キーフレーム入力モードにする)
     ●対象プロパティのキーフレームを全て削除し、固定値モードに戻す
  の2つになります。

  キーフレームを打ち始める時は、まずキーフレームを打ちたいフレームに移動してから、ストップウォッチボタンを押します。
  これで最初のキーフレームが打たれ、その後はキーフレーム入力モードとなり、
  キーフレームを打ちたいフレームに移動してプロパティの値を変更すれば、自動的にキーフレームが打たれます。

  ストップウォッチボタンを押すのは、そのプロパティに最初にキーフレームを打つ時だけでOKです。
  既にいくつかキーフレームを打ってある状態でストップウォッチボタンを押してしまうと、
  そのプロパティの全てのキーフレームが全て削除され、固定値モードに戻りますので注意しましょう。


  また、0フレーム目から最初のキーフレームまでの区間の値は、最初のキーフレームの値として扱われます。
  (たとえば最初のキーフレームが5フレーム目にあり、プロパティ値が10であれば、0〜4フレーム目のプロパティ値は10になる。)

  なお、プロパティ値をデフォルト値にリセットするには、プロパティを右クリックして、コンテキストメニューから「リセット」を実行します。
  この場合も、固定値モードになり、キーフレームは全て削除されます。

エフェクトコントロールウィンドウについて
  NiVE2では新たに追加されたエフェクトコントロールウィンドウは、
    「選択されているレイヤーに対して適用されているエフェクトを表示し、
     エフェクトを適用・削除したりプロパティを調整したりするためのウィンドウ」
  です。

  エフェクトの適用・削除やパラメータ調整は、従来どおりタイムラインウィンドウだけで行なうこともできます。
  しかし、レイヤー数や適用するエフェクト数が増えると、タイムラインウィンドウが縦に長くなりすぎて、
  それぞれのレイヤープロパティやエフェクトプロパティを展開していると、他のレイヤーやエフェクトへのアクセスが大変になったりします。
  例えば別のレイヤーを選択したいだけなのにいちいちプロパティを畳んだりウィンドウを大きくスクロールさせたりしなければならないとか。
  そんなときは、エフェクトコントロールウィンドウの出番です。つまり、
     ●タイムラインウィンドウは、レイヤーの選択やトランスフォームの操作、フレームの移動等を行なうために使う
     ●エフェクトは、全てエフェクトコントロールウィンドウで操作するようにする
  という感じで、それぞれのウィンドウでの作業を分けて使うことで、レイヤーやエフェクトに速やかにアクセスできるようになります。
  エフェクトコントロールウィンドウでのプロパティ操作は、速やかにタイムラインウィンドウにも反映されます。

         
           エフェクトコントロールウィンドウをうまく使うと作業効率がアップするはず

エフェクトに導入された「ROI」という概念について
  NiVE2では、エフェクトの適用範囲について、「ROI(Region Of Interest:対象領域)」という概念が導入されました。
  ROIとは、
     「該当レイヤーにおいて、エフェクトが描画処理を行なうことができる領域」
  のことを指します。

  NiVE1では、エフェクトが描画を行なえるのは該当レイヤーの範囲内だけでした。
  つまり200×100のレイヤーであれば、200×100の枠内にしかエフェクトによる描画処理を行なえませんでした。
  (例外として*印付きのエフェクトがありましたが、ここでの説明は省きます。)
  トランスフォームエフェクトで回転や移動などを行なうと、画像が欠けているように見えるのはこのためです。

  NiVE2では、エフェクトが描画を行なえるのは、「指定されたROIの範囲内」となっています。
  デフォルトでは、ROIはレイヤー枠と同じになっていますが、エフェクトプラグイン側で変更することができます。

  ROIを変更するエフェクトの一例が、「範囲変更」エフェクトです。
  範囲変更エフェクトは名前のとおりROIを変更するエフェクトで、ROIを広げたり狭めたりできます。
  具体的にROIの変更とエフェクトへの影響の例を見て見ましょう。

         

  NiVE1では、このような場合は外側の描画領域を確保するため、星を描いたレイヤーを大きめのコンポジションに入れ、
  そのコンポジションを別のコンポジションに追加してエフェクトをかけたりする必要がありました。
  それがNiVE2ではROIを変更するだけで済むわけですね。

  なお、ROIの変更処理については、処理順序に注意する必要があります。上の例でのエフェクトの掛け方を見てみましょう。

         

  LightBurstの後に範囲変更をかけているのがわかるでしょうか?
     「あれ?エフェクトは上から順に適用されるんだから、LightBurstの後にROI変更しても駄目なんじゃね?」
  と思った方もいるかもしれません。

  実は、NiVE2のエフェクトプラグインの処理は、大雑把に言って
     ●必要に応じてROIを広げたり狭めたりする「ROI変更処理」
     ●エフェクトをかけた結果を描画する「描画処理」
  の2つの処理からなりたっています。(大雑把過ぎますが、ここでは便宜的にそう考えます)

  そして、NiVE2での「レイヤーへのエフェクト適用処理」は、
     1.最初にROI変更処理だけを上のエフェクトから順に行なっていく。
     2.次に描画処理を上のエフェクトから順に行なっていく。
  という手順になっています。

  つまり、上の例だと、
     1.LightBurstのROI変更処理(LightBurstはROIを変更しない)
     2.範囲変更のROI変更処理(指定しただけROIを広げる)
     3.これにより最終的なROIが確定する。
     4.3で確定したROIの範囲に、LightBurstの処理結果を描画する。
     5.3で確定したROIの範囲に、範囲変更の処理結果を描画する。(ROI枠の描画)
  という流れで処理が進んでいるわけです。

  もし範囲変更をLightBurstの前にかけた場合は、範囲変更が描画したROI枠にもLightBurstの効果がかかります。
  それでは枠がよくわからなくなるので、範囲変更は後にかけているわけです。
  エフェクトを使用する場合は、ROI変更処理と描画処理の処理順序を意識するようにしましょう。

  なお、ROIを変更するかどうかは、エフェクトによって異なります。
  他にROIを変更するエフェクトとしては「ドロップシャドウ」があります。
  ドロップシャドウでは、影を描画する領域を確保するため、影を落とす方向や距離にあわせてROIを広げる処理をしています。
  また、あえてROIを無視するエフェクトもありますので、エフェクトの説明書はしっかり読むようにしましょう。

  ROIは、広げるだけでなく、狭めたり、元レイヤーの外側にもっていくこともできます。以下に例を示します。

         

エフェクトプリセットについて
  NiVE2では、設定したエフェクトの情報を、エフェクトプリセットとして保存したり読み込んだりすることができます。
  エフェクトプリセットには設定値やキーフレームの情報、エフェクトエクスプレッションなどが含まれます。
  また、複数のエフェクトを組み合わせて、それを1つのエフェクトプリセットとして保存することもできます。

  NiVE1でエフェクトを組み合わせて、Magic Bullet Looksのプリセットを再現した動画(Basic編動画Diffusion編動画)をアップして
  サンプルプロジェクトを配布してくださった方がいらっしゃいましたが、こういったエフェクトの組み合わせを、
  サンプルプロジェクトではなくエフェクトプリセットとして配布したりできるようになるわけですね。
  自分のプロジェクトに簡単に読み込めるようになり、汎用性もアップしました。
  効果的なエフェクトの組み合わせや、よく使う設定などを保存しておくと非常に便利に使えると思います。

  エフェクトプリセットを保存するには、保存したいエフェクトを選択(複数まとめるなら複数を選択)し、
  右クリックのコンテキストメニューから「エフェクトプリセットとして保存」を選択します。
  エフェクトプリセット(NiVE Effect Preset)は、「*.nvep」という拡張子で保存されます。
  エフェクトプリセットを読み込むには、レイヤーまたはエフェクトを右クリックして
  コンテキストメニューから「エフェクトプリセットの読み込み」を選択し、nvepファイルを開きます。

出力・レンダーキュー
  NiVE2では、デフォルトの出力手段として
     「NVVOutput」・・・NVV(NiVE Video)形式で出力する
     「VFWOutput」・・・AVI 1.0形式で出力する
     「連番イメージ出力」・・・連番イメージとして出力する
  の3つが用意されています。
  これらの働き自体はNiVE1と同じですが、出力処理の流れはNiVE1とは大きく異なっています。

  映像や音声を出力したいコンポジションで、メニューからこれらの出力を選ぶと、
  設定や実際の出力は後回しにして、まずはレンダーキューにエントリが追加されるようになっています。

  レンダーキューでは、エントリごとに「開始時間」「終了時間」「ファイルパス」「レンダリング設定」の設定を行なうことができます。

     「開始時間」「終了時間」・・・コンポジション全体を出力したいなら開始時間や終了時間をいじる必要はありませんが、
                       コンポジションの一部だけを出力したいような場合は、これらを設定することで
                       部分出力ができるようになります。

     「ファイルパス」・・・出力ファイルの保存場所とファイル名を指定します。

     「レンダリング設定」・・・レンダリングの設定です。出力方法によって内容が変わります。
                    VFWOutputであれば、ここで出力コーデックの選択や設定を行ないます。
                    NVVOutputや連番イメージ出力では特に設定項目がないのでグレーアウトされています。

         

  エントリの設定を行なったら、右上にある「開始」ボタンを押すと、実際の出力処理が始まります。
  エントリは複数登録しておくことができるので、いくつかのコンポジション映像を出力したいなら、
  最初にまとめて登録して設定しておき、それから「開始」ボタンを押せば、上から順に出力されます。

環境設定とキャッシュについて
  環境設定についてはmes氏の操作説明書に詳しく書かれていますが、キャッシュについて少しだけ触れておきます。

         

  キャッシュは、レンダリングしたレイヤーやフレームの映像などを内部的に保存しておくための仕組みです。
  重いエフェクト処理を毎回行なっていては作業が大変なので、一度レンダリングした部分については、
  キャッシュしているデータを再利用することで、速やかに表示できるようになっています。
  (無論、レイヤーを追加したりプロパティを変更したりすれば再度レンダリングする必要がありますが。)

  「キャッシュサイズ」は、メモリ上に「キャッシュデータを格納する領域」をどれくらいとるかを指定するものです。
  このサイズは、自分のPCのメモリサイズや行なう作業などを考慮して設定しましょう。
  大きくしすぎるとエラー(OutOfMemoryException)が多発するようです。(特に出力時に発生することが多いようです)

  また、ディスクキャッシュの使用にも注意が必要です。
  ディスクキャッシュは、メモリではなくハードディスク(HDD)上にキャッシュデータを保存する仕組みです。
     ●メモリ搭載量が少ない環境でもHDDを利用すれば大量のキャッシュデータを保存することができる
  というメリットもありますが、
     ●HDDへの頻繁なアクセス(書き込み・読み込み)が発生する。(HDDの寿命への影響)
     ●メモリへのアクセス速度に比べると、HDDへのアクセス速度は極めて遅い。(速度面への影響)
  というデメリットもあります。
  スワップ処理の発生などもあるので、場合によってはディスクキャッシュへのアクセスがボトルネックになり、
  出力が極端に遅くなったりすることもあるようです。
  コツとしては、
     1.とりあえず「ディスクキャッシュを使用する」のチェックを外し、キャッシュサイズを調整しながら運用してみる。
     2.どうしてもキャッシュできる容量に不満があったり、レイヤーの数が多かったり重いエフェクトをかけたりするので
       なるべくレンダリング済みのフレーム映像をキャッシュしておきたいといった場合は、「ディスクキャッシュを使用する」にチェックを入れる。
       ただし、なるべくディスクキャッシュサイズは増やしすぎないようにする。
  という感じで使えばよいのではないかと思います。

標準レンダラの設定について(スーパーサンプリング)
  標準レンダラの設定についても少しだけ見ておきます。メニューの「設定→レンダラの設定」を選ぶと以下の画面が開きます。

         

  レンダリングモードでは、「フル」「フル(簡易影)」「ワイヤーフレーム」を選ぶことができます。
  2Dレイヤーを縮小表示する際になるべく綺麗に表示したい場合は「縮小時にフィルタをかける」にチェックを入れます。
  3Dレイヤーの描画を高品質にしたい場合は、「スーパーサンプリング」で倍率(なし、x2、x3、x4のいずれか)を選びます。

  スーパーサンプリングは、簡単に言うと、指定した倍率(N倍)でレンダリングしておいて、それを縮小して描画するというものです。
  描画精度が上がるので綺麗に見えますが、その分処理は重くなります。

         

モーションブラー機能について
  NiVE2はタイムベースの処理になったため、モーションブラーの実装が可能になりました。

  まず、モーションブラーについて簡単に説明します。
  例えば物体がA地点からB地点まで高速で移動する様子を固定カメラで撮影したとします。
  30fpsで撮影する場合だと、カメラは1秒間に30回シャッターを開いて、写真を撮ります。
  簡単に言えばこの1秒間あたり30枚の写真をつなげたものが動画になるわけです。

  さて、ここで1枚の写真を撮るときのことを考えましょう。
  写真を撮るときにはごく短時間シャッターを開き、その瞬間にレンズに写った映像をフィルムに焼き付けます。
  シャッターが開いている時間が本当に一瞬であれば、動く物体もくっきり写りますが、
  実際には、ごくわずかな時間ですが、シャッターは開きっぱなしになっています。
  物体はその間も常に動いているわけですから、例えば0.01秒間シャッターが開いていた場合は、
  1枚の写真の中に、物体が0.01秒分の距離を動く様子が記録されます。
  これにより、「速く動くものほどぶれて(ボケて)記録される」という現象が発生します。
  人間の目も、この「速く動くものほどぶれて見える」という現象に慣れているので、
  単純なCGのように、「動きが速いのに全コマくっきりしている映像」だと不自然に見えることがあります。
  モーションブラー機能は、上で書いた「動きに伴う映像のぶれ」を再現し、映像の動きを自然に見せるための機能です。

  さて、ここからはNiVE2のモーションブラー機能の働きについて見ていきます。
  処理としては、
      「対象のレイヤーのフレーム映像をレンダリングする際に、コンポジションの設定で指定された
       モーションブラーのパラメータに基づいてサンプリング処理を行い、
       サンプリングした映像をブレンドしたものをそのフレームの映像とする。」
  となっています。

  では、サンプリングとはどういうことでしょう。
  例えば、0フレーム目から2フレームにかけて、トランスフォームで(0,0)→(200,0)に移動するレイヤーがあったとします。
  1フレーム目での座標は、(100,0)になります。ここで、「0フレーム目と1フレームの中間」を考えると、レイヤーは(50,0)にあるはずです。
  しかし、NiVE1はフレームベースだったので、フレームとフレームの間のプロパティ変化を考慮して中間映像を取得するということはできませんでした。
  これに対し、NiVE2はタイムベースになったので、細かく時間を指定すれば、フレームとフレームの間の映像を、プロパティの変化を考慮して取得できます。
  つまり、「0フレーム目と1フレーム目の中間の時間」を指定すれば、「レイヤーが(50,0)にいる映像」が作り出せるということです。
  NiVE2ではこれを利用してサンプリング処理を行い、モーションブラー機能を実現しています。

  例として、星を描いたレイヤーを、0フレーム目から2フレーム目にかけて画面の左から右へ移動させるとします。
  移動にはレイヤートランスフォームの「位置」を使います。
  コンポジションのフレームレートは30fpsとし、モーションブラーの設定は、デフォルトどおりシャッター角度180度、
  シャッターフェーズ-90°、サンプリング数16としておきます。
  0フレーム目、1フレーム目、2フレーム目をそのままレンダリングしたのが上側の映像です。
  モーションブラーをかけてレンダリングすると、下側のような映像になります。
  モーションブラーありのほうでは、動きにともなう映像のぶれがうまく表現されています。

         

  NiVE2のモーションブラー処理の詳細について図を書いてみました。
  コンポジション設定にある「シャッター角度」「シャッターフェーズ」「サンプリング数」の意味も図の中に書いてあります。

        

  上の図からもわかるとおり、モーションブラー機能を有効にした場合、サンプリング数が16であれば、
  1フレーム分の映像を生成するために16枚の映像をレンダリングする必要があるので、
  単純に考えると、モーションブラーなしの場合にくらべて16倍の時間がかかることになります。
  実際にはキャッシュの利用などもあるのでそこまで遅くはならないかもしれませんが、
  処理の重いエフェクトなどを使っている場合、レンダリングにかなり時間がかかることになります。
  パラメータの意味を把握し、扱う映像などにあわせて、効果を見極めつつ適切な設定を行なうようにしましょう。

  参考:
    NiVE2ではフレームブレンドを利用してモーションブラーを再現していますが、モーションブラーにはいくつか実現方式があります。
    例えば、AvisynthのMVToolsまたはMVTools2のMFlowBlurでは、
       「映像の動きベクトルを検出し、動きベクトルの大きさにあわせてブラー(ぼかし)をかける」
    という処理でモーションブラー効果を出しています。
    MFlowBlurでのモーションブラーについては、ニコニコ動画に解説動画を上げてあります。

オートメーションについて(利用例:MMD2NiVE2)
  NiVE2で新たに実装されたプログラミング処理機能です。エクスプレッションと同じく、C#言語で記述します。
  オートメーションで実行できるのは、
     ・コンポジションの作成
     ・アイテムの読み込みや作成、タイムラインへの追加
     ・テキスト、カメラ、Nullオブジェクト、シェイプ、ライトの追加
     ・レイヤーに関する各種設定
     ・エフェクトの適用
     ・キーフレームの生成
  といった処理です。
  要するに、NiVE2で行なう作業の多くをプログラムによって実行することができます。

  例えば、多数のレイヤーを整然と配置したり、規則正しくプロパティ値を変えたりするような場合、
  それらすべてを手作業でやっていくと膨大な時間がかかったり、入力ミスで何度もやり直しになったりします。
  しかし、作業の内容をうまくプログラムしてやることができれば、オートメーションによって自動処理させることができます。

  オートメーションを実行するには、メニューから「編集→オートメーション」を選択します。
  これによりオートメーション記述用のウィンドウが開くので、そこに直接プログラムコードを記述します。
  記述方法については、NiVE2に同梱されている「エクスプレッション・オートメーションについて.pdf」を参照して下さい。
  また、データ型などの情報については、同梱されている「カスタムプロパティ.pdf」や、
  NiVE2 Wikiのプラグインページで公開されているプラグイン開発マニュアル(nive2-developplugin.pdf)を見る必要があります。

  記述したオートメーションコード(NiVE Automation Code)は、独自形式であるnvacファイル(*.nvac)、
  あるいは規定されたフォーマットのテキストファイルとして保存したり、読み込んだりすることが可能です。
  プログラムを書き終えて「OK」ボタンを押せば、プログラムが実行されます。

  オートメーションをうまく利用した例として「MMD2NiVE2」というツールがあります。
  MMD2NiVE2は、
      「MikuMikuDance(MMD)のカメラモーションデータ(*.vmd)を解析し、
       その結果を元にNiVE2のオートメーションプログラムを生成。
       生成したプログラムをNiVE2のオートメーションで実行すると、
       MMDのカメラと同じ動きをするカメラレイヤーが生成される。」
  というツールです。
  これにより、MMDと同じカメラワークでNiVE2の3Dレイヤーを撮影することができるようになるので、
  MMDとNiVE2の映像との同期合成がやりやすくなっています。

       MMD2NiVE2のダウンロード(「モリモリソザイ」様へ)

       ツール作者様によるMMD2NiVE2の紹介動画(ニコニコ動画へ)

       MMD2NiVE2の使用例(ニコニコ動画へ)

エクスプレッションについて
  プロパティ値をプログラミング処理によって制御する機能です。C#言語で記述します。
  NiVE1でもあった機能ですが、データ型やプロパティへのアクセス方法などが全面変更されましたので、NiVE1と同じ書き方はできません。
  記述方法については、NiVE2に同梱されている「エクスプレッション・オートメーションについて.pdf」を参照して下さい。
  また、データ型などの情報については、同梱されている「カスタムプロパティ.pdf」や、
  NiVE2 Wikiのプラグインページで公開されているプラグイン開発マニュアル(nive2-developplugin.pdf)を見る必要があります。

  エクスプレッションは、オートメーションとは違い、フレームのレンダリング時に動的に評価・実行されます。
  また、エクスプレッションで行なえるのは、基本的にプロパティ値の取得や設定のみです。
  レイヤーそのものを作成したりすることはできません。

あとがき
  なんだかとりとめのない書きかたになってしまいましたが、とりあえず思いつくところをまとめてみました。
  あまりまとまってませんが、mes氏のマニュアルとあわせて読めばそれなりに参考にはなるかな〜と思います。
  ニコニコ動画に投稿されている、鍋先生による「NiVE2難民を救済する動画」シリーズもおすすめです。
  サンプル動画や講座動画もこれからどんどん増えるといいですね。
  自分でも作っていきたいとこですが、このページもα版リリース時に未完成のまま公開してから9ヶ月放置してた有様なのでどうなることやら。orz
  NiVE2はこれからも進化していくでしょうし、プラグイン開発も本格化してくると思います。
  利用者増加→プラグイン開発者増加→機能充実→更に利用者増加・・・という良い流れができることを期待しています。